渋柿の品種

1 カキの品種と渋柿の品種

 

(1)カキの品種

 カキはカキタンニンの含まれ方から、大きく4つに分類することができます。普段生食で利用される品種が完全甘ガキで、そのほか渋味のあるカキも、二酸化炭素ガスやアルコールで脱渋処理を行ったり、干し柿などにして私たちの食卓に並んでいます。

 

図1:カキの品種(一例)

富有

・完全甘ガキ

西条柿

・完全渋ガキ

西村早生

・不完全甘ガキ

平核無

・不完全渋ガキ

出典:農業技術体系 果樹編

図2:タンニンによるカキの分類一覧

 

(2)柿渋の原料として利用されている品種

 柿渋の生産で利用されている種類は、完全渋柿(種子の有無に関係なく渋い)で、「天王」、「鶴の子」があります。
 そのときに利用される品種として、天王柿は京都南部・山城地方の在来種があります。ゴルフボール状の小粒の渋柿で,カキタンニンの含有量5%と高く,柿渋の原料に適した品種です。
 柿渋に加工することを目的として栽培がされるため,果実が変形したり,傷がついても出荷することができるのです。